【空に咲くひとひらの花】:連載第14回 子供が受け継いでしまったもの④

これまでのお話:【空に咲くひとひらの花】
 
 
男の子をもつ男親にとってよく言われる夢は
「一緒に酒を飲む」
「キャッチボールをする」でしょうか。
 
 
酒はともかくキャッチボールはお蔭さまで、小学校の間、文字通り嫌というほどやらせて貰いました。

軟式野球チームにお世話になることで、学校外での充実した時間を息子と持てたような気がします。
チームに所属した2年生から6年生までは本当にあっという間でした。
 
 
息子と同じチームだったほとんどの子は地元の公立中学の軟式野球部に入りました。

息子は6年生の中頃からチームの何人かとうまくいかなくなり、地元の野球部は避け、硬式を扱うシニアリーグに所属することになりました。

中学進学を機会に、一旦息子の野球からは離れようと思いました。

と言いますのが、家内から間接的に
「野球に関して、お父さんは厳しすぎるから嫌だった」
という息子の話を聞いたからです。

少なからずショックでしたが、子離れするよい機会だとも思いました。
 
 
息子はシニアリーグに進み、私は不完全燃焼感がずっとあったので引き続き少年野球のチームにOBコーチとしてお世話になることになりました。

シニアでは硬式球を扱うのですが、硬式野球グランドというのは実はそれほど数がなく、方々に遠征にいくことで練習や試合を維持してました。

なので、毎週土日は家内が車で送り迎えをしていました。

距離が遠い時もあり、拘束時間も含めかなりの負担です。
元々人数の多いチームではなかったので、負担を分かち合う内、父母会の結束も高まっていったようです。
 
 
最初の内は息子も、硬式を扱える新鮮さと新しいチームメイトに囲まれ楽しそうでした。

それが徐々に変わっていったのです。
 
 
土日夕方の家内と息子の怒鳴り合いのケンカが半ば定例化していきました。

ポイントは息子の練習態度です。

家内は体育会系のノリにうるさいので、息子の覇気のない練習態度に我慢ならなかったようです。
よくこの当時

「あんたを見ていると恥ずかしくてしょうがない(他の親御さんの手前を含め)!!」

と怒鳴っていました。
 
 
 
加えてこんなことがよく問題になっていました。

・何度言っても、ユニフォームを自分で洗わない。
→結果、一年間で3本のスラパンがオシャカに… あれほどカビに覆われたスラパンを見たのは初めて。
 
・何度言っても、弁当箱を出さない。
→結果、一年間で5個の弁当箱がオシャカに…。水筒、ジャグが行方不明に…。最終的には使い捨て値段のタッパーになりました(^_^;)
 
・何度言っても、泥、芝草を落として車に乗らない。家に入らない。
→結果・・・。
 
・何度言っても、毎回朝ギリギリにしか起きない。どんなにせかされても急ぐ姿勢を見せない。
 
 
 
この頃から、学校や普段の生活でも色んな問題が顔を覗かせるようになってきました。

思えばバトンが私から家内へ渡され、家内に対する甘え、反抗期も拍車をかけたのでしょう。
また当時私自身、別の問題を抱えていたため、あまり家族に関わることができない状態にいました。
  
 
前にも申し上げたと思いますが、中学にあがるタイミングで心療内科を受診しました。

2~3種類の検査を受け、結果的には「軽度のアスペルガー症候群、AD/HDの傾向もあり」が最終診断だったと思います。

投薬も受けたのですが、改善の兆候が見られる前に野球が忙しくなったり、生活が乱れ始めたりと中々通院できず、結果3ヵ月ほどで通うのをやめてしまいました。

親としては(特に私は)少しでも「生きにくさ」が改善できればと、いわば良かれと思った受診だったのですが、本人はそう考えてなかったようです。

何年もたってから本人の口から出たのは「発達障害というレッテルで、全てが嫌になった」でした。
 
jhboy
 
 
ともあれ、徐々に起きた主な問題としてこんなことがありました。
(家内から聞いていた範囲です)
 
 
【学校】
・教科書が全てなくなった。
・何度買いなおしても、文房具が行方不明になる。
・体操服は持って帰ったためしがない。
・試験は全教科ほぼ一桁代の点数。
・ほとんどの友達とうまくいっていない。
・「係」の仕事を全うした試しがない。
 
 
【生活】
・上級生と付き合う様になり、夜遊びが増えた。
・脱走、家出が多発。一度脱走した時、マンションの屋上に一晩中いた。
・嘘が増えた。しかも流石にこんな大事なことで嘘はつかないだろう、ということでつく。
・家からお金がなくなるようになった。特に妹の貯金箱から頻繁にお金が消えた。
・顔つき、目つきが変わった。(家内いわく、負のオーラをまとっているように見えた)
 
 
一般的な反抗期特有の問題とも見えますが、家内がしきりにこぼしていたのが
「話がいつも堂々巡りで終わる」
ことです。
 
 
息子のとった行動の問題点に関して、家内は様々な視点で説明し、その非を納得させようとしたらしいのですが、息子の返しのパターンほぼ決まっており、

「俺より悪いことしているヤツは一杯いる。だから俺はまだマシなほう」

他人と比べてどうこうという話ではなく、あなたのとった行動でどんな迷惑がかかかり、色んな人に嫌な思いをさせ、裏切られた気持ちにさせたのか想像してごらん、と諭しても最後には先ほどの常套句に戻るそうです。
 
 
しかも家内に言わせると、

「考えの全ては自分視点、一旦頭に占めた考えは変わらない。他の人の立場で考えたり、想像したりが本当にできないようだ」

そういう理由でいくら説教しても、話自体が交わることがなく怒り損に終わることが多かったそうです。
 
 
家内が半ばヒステリー状態となり、たまたま居合わせた私が息子を追い詰めた所、大泣きをしながら畳中を転げまわり、

「俺は誰からも愛されない、生まれてこなければよかったーー!!」

と叫ぶ始末です。
 
 
私も息子の急激な変化に戸惑いを隠せませんでした。
心のどこかで小学校時代、あれほど濃い時間を過ごしたのだから親子関係はこの先も大丈夫との思いもありました。

そんな中、本格的な事件が起きたのは彼が2年生の春のことでした。
 
brokenglass
 
つづく
 
 

wriiten by  鳴海集一 Shuichi Narumi

 



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