お片づけにはリセットタイムルールとドーパミン

発達障害といわれる症状が出ている人は「常に熱が38度ある人」だと考えて下さい。



・ワーキングメモリが少ないため、日々生きるのに精一杯で整理整頓までエネルギーがまわらない


・片付けをやり遂げるための脳内物質の分泌が十分にされていない
 (ドーパミン不足)


・いざやる気になっても、段取りを決めたり取捨選択することが苦手で、途中で混乱してしまう
(脳内の神経ネットワークが弱いため=脳の神経細胞を作るための栄養素が不足している)

ので、常に

「疲れたり気が乗らなくて、やらなきゃならないのはわかっているけど、できない状態」

と同じ状態が、24時間365日続いているのですね。


もし私たちでも、熱が38度以上あったら、ふだんは何でもない量のお片付けに対しても、今日はちょっとしんどそう・・・無理、ってなってしまいますよね。
頭はボーっとしているし、作業も遅いし、少しやると休みたくなる・・・

そういう状態がまさに彼らの通常の状態だと仮定するとわかりやすいかもしれません。


片付けなさいといって、ハーイとちゃっちゃか片付けられたり、自ら片付けなくちゃ、なんて思えるようなら、発達障害とはいいません。
なので、どうかイライラしたり怒ったりしないであげて下さいね。
言われた側はただただ傷ついてしまうだけですので・・・

で、どうしたらよいかということですが、

それでも自然にできることにしてしまえばいいのです。

たとえば玄関を出る時はくつを履くように
あるいは歯を磨くときは歯ブラシを使うように


その他、できることの多少はあっても、間違わないで自然にできることって、いくつかありますよね。

それと同じように、1日数回、リセットするというを無意識にできるようにすり込むと違ってきます。


Time Clock 時計 時間

リセットタイムルールをつくる


①夜寝る前に「正しい形にする(=以降、リセットと呼びます)」
②家を出る前に「リセット」
③食事前に「リセット」
④ゲームやテレビなどをする前に「リセット」



リセットタイムがきたら、机の上、周囲、クローゼットを正しい形に直します。
正しい形とは、「直角・並行・向きを揃える、あるべき場所にしまう」ということです。


ポイントは、「リセットを行わないと報酬が得られない、というタイミングで行う」ということです。
リセットしてからご飯、リセットしてからおやつ、リセットしてからゲーム、リセットしてから休憩、といったように。


必ず「お片づけ」ではなく「リセット」という言葉をインプットすること。


片付けるというと漠然としたイメージで伝わりやすく、それだけで気が滅入ってしまう子も多いようですが、リセットという言葉は、元に戻す、というイメージと直結しやすいので、正しい形を予め親が作り、インプットしてあげておくことで、やりやすくなるのです(正しい形をそれぞれの箇所に写真などで貼っておくというのも非常に有効です)。


そして、きちんと正しい形にリセット出来た時は、毎日でもよくできたね、とか、やればできるのね、とさらっと褒めてあげてください。
(ほめられることで、ご褒美ホルモンのドーパミンが分泌されます。ドーパミンは何かを最後まで成し遂げるために絶対に必要な脳内物質です。)

明確な目標の元に長期計画で挑む


もちろん、すぐにできるようになんてなりません。
目標は


20歳の時点で社会人として問題ないレベルに矯正できていること


です。言われなくても自らできるようになるには、小学1年生から中学3年生まで約10年かかると思ってください。


・小学校低学年のうちは、机の上とランドセルの中だけに限定します。
・小学校中学年になったら、引き出しの中も加えます。
・小学校高学年になったら、机の下や横、部屋の床を加えます。
・そして中学生になったら、本棚とクローゼットを加えます。




驚く程長い時間はかかりますが、そして、完璧にはなりませんが、「悲惨な状態(ゴミ屋敷状態)」が必ず減ってきます。



ただし、別のトピックスでもちょくちょく書いていますが、

食事を変えること、脳内物質の分泌を活性化させるDHAやレシチンを摂取すること、最後までやり遂げるために必要なドーパミンの分泌を向上させることなど、脳を活性化させることは同時に必ず行なってくださいね


(病人に頑張れ頑張れ、といっても言葉だけで元気に動けるようになるわけではないのと同じで、脳内物質が足りない人に、いくら言葉で説明しても、行動には絶対に移りません。)





右肩上がりによくなるわけではなく、時々、あれ?なんかそれなりに片付いている、と思える日が、小学校高学年くらいから少しずつちらほら出てきます。

もう大丈夫かと思いきや、ちょっと疲れたり気持ちが乗らないとまた悲惨な日が数日続いたりして、せっかくできるようになってきたのに!と怒りたくなったりすることもありますが、食事や生活環境などを見直すことで、また持ち直したりします。


最も大切なポイント


ここで非常に大切なことは、


なぜ片付けることが必要なことなのか、ということをきちんと説明することです。


1.整理整頓するという作業は、脳の中の情報整理ネットワークを構築する作業であること


お片付けをすることによって、勉強のケアレスミスを減らしたり、やらなきゃならないことの順番づけができるようになったり、そわそわした気持ちが落ち着くようになる、ということを話してあげてください。

どうして?と聞かれたら、

脳の中で、同じ部分を使うからなのよ。たとえば鉄棒で逆上がりができないからといって、毎日逆上がりばかり練習するよりも、腕立て伏せをして腕の筋肉を鍛えたほうが、ずっと早くできるようになるのと同じよ。片付けをすることは勉強ができるようになるためのトレーニングなのよ

というように話してあげてください。


本当にお片付けができるようになると、ケアレスミスが減ったり、漢字のとめ・はらいがしっかりできるようになってきたりするのです。


2.整理整頓のスキルがないと夢をかなえるチャンスが減るということ


お金がある人の庇護の元、一生自分で何もしなくても生きている人なら別ですが、庶民は自分で稼いだお金で生活していかないとなりません。
あるいは、ものすごく天才的にクリエイティブな才能があり、大金を稼げるので一生お手伝いさんを雇えばいい暮らしができるなら別ですが、そうでない場合は、やはり自分で仕事をして生活していなかいとなりません。

整理整頓のスキルがないと、もちろん仕事ができないということになります。


情報整理ができないわけですから、お取引先に提出する予定の大切な書類を無くしたり、過去の情報を取り出したくても取り出せなかったり、メールやデータファイルの整理もできません。


上司や先輩に頼まれる仕事も、月に1つだけ、なんてことありませんから、何から取り掛かって何時までにどれくらい終わらせればいいか、といった情報整理能力は必要です。
コンビニでバイトするにしても、在庫整理、伝票整理、多岐に渡る業務の段取りなど、整理整頓スキルは必ず求められます。



どんな仕事についても、自分自身が仕事を失う問題を引き起こしかねない恐れがあること、また、整理整頓(情報整理)ができない人はまわりから信頼されないこと、
「自分がどれだけ一生懸命やったと思っていても、整理ができない人を、まわりの人たちはちゃんとしている人、とは評価してくれない。他人はそういうところでしか判断してくれない。」
ということを話してあげてください。


3.親は先に死ぬこと、20歳になったら、一人で社会に出ていく必要があること
 
法律上、納税の義務が発生する20歳を社会人として、目標を20歳に定めます。
そして、だから20歳になったら親はサポートしなくなること、そのためにその時点で一人で生きていけるようになることに目標を置いているということを、きちんと話してあげてください。
常に20歳まであと何年、というように意識を持たせるようにしてください

親の感情や好みの問題によってしつこく注意されているわけではないということ、親のサポートは一生続くわけではないということ、いずれ(何歳から、と明確に決めて伝えてください)一人で生きていかなくてはならないということを前提とした上で、なぜ整理整頓が必要なのかということを理論で納得させてあげてください。


「もともと生まれつきそれが苦手で、あなたにとってはとても大変なことだというのはわかっている。でも右手が不自由な人は左手を鍛え、両手が不自由な人は脚を鍛えて生きていくための努力をするように、あなたも努力して自分なりにできる方法を身につける必要がある。なぜなら、もし親が死んでしまった時、社会で1人生きていくためにはそれが必要なスキルだからよ。」と。



そして
「だから考えなくても自然とできるように、リセットタイムを作ってやっているのよ」


と、折に触れて何度も言い聞かせてください。
想像力が乏しく、何を言っているのかよくわからないという子も多いかもしれませんが、とにかくひたすら呪文のように言い聞かせることが大事なのです。


発達障害といわれるお子さんは細かいことを覚えているのは非常に苦手ですが、何年にも渡って言い続けられたことは、
「ママがそう言ってたから」というただそれだけの理由で覚えていたりします。


だからこそ、褒めてあげることも大事だということも忘れずに。

「ママが褒めてくれたから」この受け入れてもらった体験は大人になってもずっと残っています。


最後に、絶対に忘れてはならない大切なことを伝えて下さい。

あなたには特別な才能が授けられた分、そっちにエネルギーがまわるようにみんなができることがちょっと苦手なの。でもそういう自分の生まれ持った特質を自分で理解して、自分でもできる方法を見つけ、うまくコントロールしていかないとね。」



追記:この言葉は本当に魔法の言葉です。

どれだけ叱られることがあっても失敗しても、我が家の長男長女が思春期を迎えても自尊心を失わず、とても前向きに自分の特性を理解しているのは、この言葉の軸があったからこそだと思っています。


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